「あれ欲しい~!買って!!!」
「イヤ!カート押したいの!!」
買い物に行くと好きなお菓子やおもちゃを買って欲しいと感情を爆発させて癇癪(かんしゃく)を起こす我が子。
静かな店内で大勢の人がいる中で全身を使って叫びまくり、床に転がり抗議する始末…
「これだから子連れで買い物に行きたくない」
「他の同じくらいの年齢の子は大人しいのに、なんでうちだけ…」
と悩まれる保護者様も多いと思います。
子どもって、特に人が多い場所で泣きわめくことありません?
(人が多いから困らせようと思ってわざと泣くのかしら。)
いえいえ、それは違います。
大体が悪知恵などではなく、実は落ち着くために必要な行動なんです。
じっとしないのは…「落ち着くために必要な行動」
まず知っておきたいのは、子どもの神経組織について。
子どもの神経組織は高まった緊張を減らすために行動を起こす=「癇癪(かんしゃく)」を起こすことがあります。
お店に行くと多くの商品や大勢の知らない人に囲まれます。周囲からの緊張もありますし、子連れでなくても「はぁ~、疲れた」とストレスを抱えて帰ることもありますよね。人混みが苦手という方はより気持ちを共感できるかもしれません。
子どもの神経組織は大人以上に敏感です。
例えばスーパーマーケットに入った時、子どもの脳に視覚、聴覚、嗅覚と一度に沢山の知覚を受けます。その上で「大人しくする」ことを強いられます。すると脳は受けた刺激や情報を整理しきれず混乱し、「癇癪(かんしゃく)」を起こすのです。
子どもの脳内は多くの刺激や情報が一度に流れてきて、激しい急流の大きな川となります。流されている中で目に付いたものが自分の欲しいお菓子や好きなキャラクター。いわば、掴まれる枝のようなもの。子どもは川に飲み込まれないように=自分を保てるように、物をねだります。
お菓子や玩具をねだるのは、自分でも落ち着くためになにか集中できる一点を探した結果なのです。
癇癪(かんしゃく)を起こした時の対処法:優しく抱きしめる
癇癪(かんしゃく)を起こし、彼らが要求してきたお菓子や玩具を買い与えたところであまり意味がありません。お菓子なら食べるでしょうけども、玩具などはすぐに飽きてしまうでしょう。なぜなら、これらは落ち着くための口実にすぎないからです。
それよりも効果的なのは、「優しく抱きしめてあげること」
大人でも優しく抱きしめられると安心しますよね。
抱きしめてあげることで幸せホルモンであるオキシトシンが分泌されて、子どもの気持ちは安定し、落ち着くことができます。
より効果的にオキシトシンを分泌させるなら、抱きしめながらお子様の目を見て、優しい言葉をかけてあげること。
オキシトシンは神経回路の発達を促すので、一生を通じて感情をコントロールできるようになります。
親子の愛情構築を図る上でもなんでも買い与えるより大変有効です。
ただ、毎回これだと疲れてしまいますよね。癇癪(かんしゃく)を起こす前の対策はあるのでしょうか。
癇癪(かんしゃく)を起こす前の予防策:役目を与える
お店に入って多くの刺激受けて混乱する前に、「なにか一つ集中できるものを作ってあげる」これが解決方法です。
例えば、・にんじんを選ぶ役割を与える・牛乳をかごに入れるお仕事をお願いする・店内のマスコットキャラクターを探すなどです。
すると、脳はその一点に集中し、他の刺激の影響を抑えることができます。また、役割を与えられたことで、やる気のホルモン「ドーパミン」が発生し、ストレスをコントロールして不安や恐い気持ちを抑えることができます。また、お子様は成功体験を叶えることもできるので、自己効力感や自己肯定感も上げることができます。
おわりに
癇癪(かんしゃく)を起こす子どもについて、今回お伝えしました。店内で泣きわめかれると、周りの目が気になるし、扱いが困るし、ママやパパも泣きそうになりますよね。でも実は子どもは多くの刺激の中で自分を保つためにも感情を爆発させているのです。
ただ、今までつい買い与えてきてしまった場合は、泣いたらわがままを聞いてもらえると学習している可能性もあります。その場合は、癇癪(かんしゃく)を起こしたら二人で話せるようなお店の一角や静かな場所に行き、目を見て静かな口調で、「どうしてそのわがままを受け入れられないか」を伝え、「お店を出るまで、小さい声で話そうね」など簡単にできる約束をしましょう。そして、約束通りできたら沢山褒めてあげてください。褒められることで善い行いを学びます。こうして子ども達は徐々に物事の善し悪しや社会のルールを学んでいきます。
子どもの脳はまだ未成熟です。
よくないとわかっていても爆発してしまうこともあります。
そんな時は怒鳴って子どもの心に深い傷を負わす必要はありません。優しく抱きしめて、子どもの気持ちを汲み取ってあげてください。
ぜひ普段の育児の参考にしていただけると幸いです。
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