
「あ、これ、今朝の私じゃん。」
そう思った方は挙手してください。
今日はこの「急いで!!!」に焦点をあてて、子どもと大人側の状態を深堀りしていきます。
わかりますよ、朝出発しなければいけないのに、遊び出されたら困りますよね。
なぜ子どもはあと少しで出発するっていってるのにわからないのか。
なんで親は感情的になってしまうのか。
それぞれ読み解いてみましょう。
子ども側の解釈
① “時間の感覚”がまだ未熟
たとえば、大人であれば「あと5分」というのは、これまでの経験から時間軸は感覚でわかりますが、子どもは経験値も時間軸も未熟。子どもにとっては「あと5分」も「あと3時間」も違いがよくわかりません。時計も読めるようになるのは小学1年生からですし、そもそも「時計を度々見る」という行為は「一度今している作業を中断する」「やりたいという気持ちを抑える」という気持ちのブレーキ(前頭前野)の働きが必要になります。なので、訓練しないと変わりにくい。
子どもにとっては、「今」か、「それ以外」か。
大人は「今準備したら、この後スムーズに出発できる」と先の見通しがつきやすいけど、子どもにはその想像が難しい。だってそこまでの経験値と成功体験の記憶がないから。
だから「あとで困るよ」と言ったとて伝わりにくいんです。
② 気持ちの切り替えが難しい
ひとくちに遊びといっても子どもにとっては色んな要素を組み込んでいます。たとえば、「学習行動」「感情整理」「安心材料」など遊ぶ理由が隠れている場合もあります。つまり、「新しい発見に気が付いて取り組んでいる」「昨日保育園に行った時にイヤなことがあったから、行く前に好きな玩具で遊んで気持ちを満たしている」など理由が隠れていたり。登園する勇気をもらえる相棒(オモチャ)を探していることもありますよね。
そんな中、「遊ぶのおしまいにして!」と言われても、「もっとやりたい!」という気持ち(ドーパミン)が脳を締めているので、脳が未熟が故に、この気持ちを制御することが難しい。
③ 子どもは「急ぐ」概念が曖昧
「急いで」という言葉は抽象語なので、「急いで!」と言われても「なにを?どんな風に?」と疑問が浮かび、“どう動けばいいか”をイメージしづらい状態。具体的に伝える必要があります。
❌「急いで」
⭕「靴を履こう」
スピードひとつとっても、「10数えるまで!」「この歌が終わるまで!」など、子どもの理解度を基準にして伝える必要がありそうです。
④ 疲れている時ほど切り替えが難しくなる
夕方になると一日の疲れが出やすいので、子どもは余計に気持ちを切り替えることができなくなります。
子ども達もママやパパの知らない場所(保育園や学校)で、よく頑張ってきました。脳は情報疲れ、感情疲労、緊張などでエネルギーの消耗が激しく、愛情タンクも空の状態かもしれません。
だから帰ったら片付けをするよりも、まず遊んで自分の心の回復を狙っている可能性もあります。
特に子どもにとって家は「安心できる場所」。
保育園や学校では、頑張って気を張って過ごしている子も多いです。だからこそ、安心できる家に帰ると、気持ちが一気にあふれやすくなります。
なので余計に自分の気持ちが制御できなくなる。
【親側】で起きていること
① 親の脳は“先の予定”で常に忙しい
親の脳は、基本的に先のイメージがついている状態。
例えば、保育園に向かうまでの道中から、保育園で見送る時の対応、先生に伝えたいこと、乗りたい電車の時間、仕事のタスクや帰宅後の家事育児など…
つまり常に時間に追われて余裕がない状態。
これがデフォルト。
なので、親が怒りやすいのは実は性格というよりも、
この先のタスクを無事にこなせるように、責任に追われている形。
もしも1つでも予定が狂ったらどうなるでしょう。
既に時間に余裕がない状態なので他のタスクに影響が出てしまい、達成できないものもあるかも…!という不安に襲われます。
なのでストレスを感じやすい。
出発5分前に遊び始める、着替え拒否、突然泣く、とかね。イレギュラーなことが起きないか、毎朝ハラハラしている方も多いはず。
② 親は常にマルチタスクだから、脳が疲労状態
育児中は、脳が目の前のことだけでなく先の事も考えており、常に複数処理が行われている状態。
「保育園の準備しなきゃ」
「仕事間に合うかな」
「帰ったらご飯作らなきゃ」
「明日の着替えは?」
「今日寝るの遅くなりそう…」
など、頭の中では色んな情報が同時進行しています。
これは脳の“ワーキングメモリ(情報を一時的に整理しながら使う力)”をかなり消耗する状態。
つまり親の脳は、常にタブを大量に開いているパソコンのような状態。
さらにここに子どもの泣き声、時間確認、新たなタスク、関係ない会話、安全面への注意など、次々に情報が入ってきます。こうした“脳が同時に処理しなければいけない量”を「認知負荷」と言います。この認知負荷が高い状態が長く続くと、脳はどんどん疲れていきます。
これだけでもかなり消耗するのに、睡眠不足、体調不良、産後のホルモン変化、月経前の不調などが重なると、感情をコントロールするためのエネルギーがさらに減っていきます。
すると本来なら流せることでも、「早くして!!!」と強く反応してしまいやすくなる。
③ 「早くして!」の裏にある感情
実際は怒りだけじゃない。その一言の裏には、不安、焦り、間に合わない恐怖、スケジュールが崩れる怖さも隠れています。自分の感情にラベリングして把握しておくことは感情をコントロールする意味で大切です。「あ、今私は〇〇のことで不安になってるんだな」と心の余裕がない理由に気が付き、冷静になれるかもしれません。
④ 働いているパパやママは“解決モード”に入りやすい
子どもの行動一つとっても「なんで今これをするのか」「どうしたら目的を達成できるのか」とすぐに浮かべてしまうのは、働いているパパやママに多い特徴。
ですがら対子どもにおいて、このスキルは疲弊しやすい。なぜなら子どもは必ずしも、「問題を解決したい」わけではありません。
例えば、
思い通りにいかなかった
まだ遊びたかった
疲れていた
悔しかった
不安だった
など、子どもはまず“感情を処理している途中”のことがあります。
でも大人側は、
「どうしたの?」
「じゃあこうしよう!」
「ほら、泣かない!」
「だからさっき言ったよね?」
と、“解決”へ進めようとする。
すると子ども側は、「まだ気持ちの処理が終わってない」状態なので、さらに崩れてしまうことがあります。つまり、子どもは「気持ちをわかってほしい」段階なのに、親側は「早く解決して落ち着かせたいモード」に入りやすい。
このズレが、
親子の衝突につながることもあります。
パパとママの違い
パパとママでも子どもへの対応に違いってありますよね。ここからは、性別による特徴をみていきましょう。
① 男性脳と女性脳の特徴のちがい
一般的に、脳の使い方には男女差の“傾向”があると言われています。
もちろん個人差はあります。が、パパは比較的、「今どうするか」「どう解決するか」など、目の前の問題に意識が向きやすい傾向があります。
一方でママは、次の予定、忘れ物はないか、睡眠時間の調整、夕方のご飯、子どもの体調、安全面など、“この先どうなるか”を同時に考え続けている「未来予測モード」。
加えて妊娠・出産後の女性の脳は、ホルモンの影響で脳が再編成されるので、例えば、赤ちゃんの泣き声に敏感になる、危険察知が強くなる、子どもの変化に気づきやすくなるなど変化が生じる。
だからママの頭の中では、「今、目の前で子どもが遊んでいる」のを見ただけで、遅刻しないか、この後機嫌が悪くならないか、危なくないかなど、未来のリスクまで同時進行で考えている。
なので子どもがゆっくり動いているように見えると、「早くして!!」と言いやすくなるんです。
② パパは“予測外ストレス”を感じやすい
パパは比較的、「どう進めるか」「どう解決するか」「どう収めるか」を考えながら関わることがあります。そのため、
・話していた通りに進まない
・突然予定が変わる
・理由がわからず泣く
・感情で動く
など、“コントロールできない状況”が続くと、強くストレスを感じやすい。
例えば、「あと5分で出るよ」と言っていたのに、急に遊び始めたり、着替えを拒否したりすると、パパ側は、「なんで急に!?」「さっき言ったよね?」「どうしたら進むの?」となりやすい。
急かされた子どもはどうなる?
「早く!!!」と「急かされる」と、子どもはどうなるでしょうか。
不安になります。
急かされる ➔ 焦る ➔ うまくできない ➔ さらに怒られる ➔ さらに崩れる …
こんな悪循環に陥りやすいんです。
親の焦りは子どもに伝わります。言われる日が多ければ多いほど、子どもはプレッシャーを感じ、達成できなかった自分の不甲斐なさを感じて、自信喪失へと繋がります。
現代の育児は共働きが増え、時間と心に余裕がなく、“急かされやすい”環境が多いです。
また、ワンオペのお家も一人でやるタスクが多い分、責任感と合わさって気持ちに余裕がなくなります。
そんな時はね、覚えて欲しい。
「手抜いてOK」
完璧主義をなくして、達成率60%で十分じゃないか。
毎日よくがんばってるから、心に余裕がなくなるんです。
ね?がんばる我々は偉いけども!!けども、自分を大事にしないと、他者も大事にできません。
出発前にオモチャで遊ぶ子どもも、「早くして!」と急かす親も、誰も悪くない。
親は先の予定含めて見ているから。
子どもは今目の前のことに縛られるから。
対応策の例としては、
①急ぐこともゲームの一つにする▶脳に負荷がない
②前日までにギリギリまで用意しておく
③遊ぶことを想定してスケジュールを組む
とか色々検索すれば出てくると思いますが、
詰めるところ、遅刻した所で、死なない!!!!死ななければ万事OK!という気持ちを持って、大きく深呼吸してみてください。
それだけでもあなたを纏う雰囲気が変わり、お子さんも緊張が解れると思いますよ!


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