こんにちは。
二児の母です。
皆さんは我が子にどんな人に育って欲しいですか?
おそらく私は「他人と比較せず、自己肯定感が高い人」と答えます。
あなたは他の子ではないの、私の大切な唯一無二の存在なの。
私があなたを好きなように、あなた自身、自分を好きになって欲しい。
だってこんなに素敵な子なんだもの。
私は我が子に限らず、保育現場でも常にそう感じながら子どもと接しています。
しかし、毎日子どもに向けて愛情を注いでいても、つい過剰に介入してしまったり、心の余裕がなくて気持ちを拾えなかったりしてしまう。
なら、どうすれば、子どもは自分らしく、他人と比較しないようになるのでしょうか。
二児の母は調べてみました。
まず人格形成、個性の面から子どもの自分らしさの構築について調べ、その上で大人はどんな関わり方をしたらいいか調べてみました。
人格形成はどのように築かれるか
性格などの人格形成は、遺伝と環境の相互作用の過程で形成されます。
メタ分析の研究結果によると、性格の遺伝率は平均すると40%程度で、残りの60%は環境要因の影響で形成されるということです。
遺伝については、もうしょうがないですが、残りの60%はまさに家庭や社会(保育園、学校など)子どもを取り巻く環境が影響します。
人格が形成されるにあたって順序をみていくと、
まず影響するのは生まれながら持ち合わせてる「気質」が、周囲との接し方に影響を与えます。
そののち3〜7歳までに遺伝的要因と環境的要因により形成され、10歳頃に確立するとのこと。
では第一のポイントになる、「気質」についてお話しましょう。
生まれながら持ち合わせてる「気質」について
人間は他の哺乳類と同じように、「気質」という刺激に対する行動特性を持っています。
ニューヨーク大学の心理学者であるトーマス(Thomas・A)は,とチェス(Chess, S.)は、乳幼児と青年で、気質の個人差をはかり、統計を取りました。それによると、生まれた時から子どもは9つの気質のパターンがあることがわかりました。さらにその9つの基準について 5 段階で評価し、
組み合わせにより、
・扱いやすい子(40%)
・扱いにくい子(10%)
・立ち上がりが遅い子(15%)
・3つが混合した平均タイプ(35%)
の4つのタイプに分類することができました。
兄弟児(姉妹ももちろん)を持つママならわかると思いますが、子どもは生まれた時から個人差ってありましたよね。
周りの様子を見てるだけでご機嫌な子、環境の変化に敏感ですぐ泣いてしまう子。
それが「気質」です。
同じ親から生まれた兄弟でも千差万別。なんなら胎児の頃から差がでていたはずなので、それぞれもって生まれた気質が確かにあることを示しています。どうにもならん。
気質が人格形成に与える影響について
気質はどのように人格形成に影響していくのでしょうか。
順に追っていきますね!
①新生児期〜乳児期
②乳幼児から6歳頃まで
①新生児期~乳児期
もう気質の塊ですね。
理性を働かすことができない小さな子どもは、とくに気質による影響を受けやすいので、各個人の特徴が目立ちます。
初めての場所は泣いてしまったり、一人でベッドにいても、近くにいればゴロゴロしてご機嫌だったり。
「あの家の子は手が掛からないのに、なんでうちの子は抱っこしてないとすぐ泣いちゃうの…」と他所の家と比べることがあるかもしれませんが、無意味です。だってそういう気質に生まれたんだもの。育児のコツで少し解消できることがあると思いますが、基本的なベースは覚えておいた方がいいかもしれませんね。
この時期に大切なのは、「愛情を注ぐこと」
子どもは生まれ持った気質を前面に表しながら、親から沢山の愛情を受けて、「自分は愛されてるんだ…!」と人との愛情形成について学びます。これは人格形成の土台となり、愛情を沢山受けた子どもは、将来愛情深い子に育ちます。
なので、抱っこを求められたら、沢山抱いてあげてください。沢山スキンシップを図ってください。「抱き癖がつくからあまり抱っこしない方がいい」とか言う方もいますけど、それは完全に保育者の都合ですし、「あの時抱っこして欲しかった」という思いで育つ方が心配です。
気質を受け入れて、存分に愛してあげてください。
②乳幼児から6歳頃まで
この時期もまだまだ行動に気質の影響が出ると言われています。
その割合はなんと7割!
園に行けば千差万別ですよね。何度も注意しても聞かない子や、一度言えば聞いてくれる子。
気質は集団ルールや環境的要因により変化していき、7歳頃までにはほぼ中間値になります。
一方で始まるのは人格形成。
先述した研究結果によれば、人格形成が始まるのは、ずばり3歳以降から。周囲との関わり方や遺伝的要因により築かれていきます。
例えば、内気で消極的な子どもがいたとします。
途中入園した初日、どう行動するでしょう。いきなり大勢の前で元気に挨拶できると思いますか?
おそらく恥ずかしがり、先生の後ろに隠れてしまうかもしれません。こういった子は、園の環境に慣れるまでは、おそらく基本的には様子を見る所から始まるでしょう。
しかし環境的要因である保育者や保護者の賢明な努力とサポート、周りのお友達との関係性があって徐々に、気質が中間値へと変動していくのです。
周囲との関わり方、大人のサポートがいかに大切かわかりますね。
気質+環境的要因=人格形成
他人と比べちゃう子に見られる特徴
生まれもった気質については、我々親ではどうしようもないことがわかりました。
我々は子どもの気質をひとつの個性として受け入れ、その上で育児をしていく必要があります。
我々親が育児する、つまり「環境的要因」。
先述した通り、60%人格形成に影響していきます。
子どもが自分らしく、要は他人と比較せず豊かに育つにはどうしたらよいのでしょうか。
まずは他人と比較しちゃう子の特徴について見ていきましょう。
- 自己評価が低い: 自分に自信が持てず、他人と比較することで自己評価を確認しようとします。自分の価値を他人の成果や評価と結びつけて考えることが多いです。
- 完璧主義的傾向: 失敗やミスを恐れるあまり、他人と比較して自分が劣っていると感じると強い不安を抱くことがあります。完璧でなければならないというプレッシャーを感じやすいです。
- 他人の評価に敏感: 親や教師、友達からの評価を過度に気にする傾向があります。他人からの承認を得ることが重要であり、そのために他人と自分を比較してしまいます。
- 競争心が強い: 競争が好きで、他人よりも優れていると感じたいという強い欲求を持っています。そのため、常に他人と比較し、自分がどれだけ勝っているかを確認しようとします。
- 環境の影響: 家庭や学校で他人との比較が頻繁に行われている場合、子どもはその影響を受けやすくなります。親や教師が他の子どもと比較することが多い場合、子どもも自然とその行動を模倣するようになります。
- 目標設定が不明確: 自分自身の目標がはっきりしていないため、他人と比較することで自分の方向性を見つけようとすることがあります。他人の成功や行動を参考にして、自分の立場を確認しようとするのです。
このように他人と自分を比べる習慣があると、自己肯定感が低下し、不安やストレスが増える可能性があります。また、完璧主義やモチベーションの喪失、人間関係の問題を引き起こすこともあります。
逆にもしも他人と比べなくなるとどうなるのでしょうか?
ズバリ!
自己肯定感が高まり、ストレスが減ります。また、自分に合った目標を見つけやすくなり、純粋な人間関係を築けるようになります。他人の成功に影響されず、自分のペースで成長できるので、心の平穏を保ちながら幸せな人生を楽しむことができます!
これですよね、これ!
やはり、他人と比べずに自己肯定感高く育って欲しい!
では、どんな環境的要因が影響してしまうのでしょうか。
親から与えうる人格形成への影響を見て行きましょう。
子どもの人格形成に影響の出る「環境的要因」
・家族関係が不安定…気持ちが遊びに集中できず,集団にとけこめないこともある。
・過保護…親が子どもを手に受け,先取りしてやってしまうことが多く,子どもなりに体験的に学習していく部分が希薄になっていく。家の中では元気がいいのに,一歩外にでると緊張は高まり,動きは止まってしまう。
・過干渉…何をやるにしても親の干渉がっきまとうので,子どもは自らの動きを放棄し,親の言うままにしか動けなくなってしまう。
・親による思い込み…例えば親は落ち着きがないというが専門家から見れば特に問題はなく,強いていえば外界への興味関心,好奇心が旺盛で元気のいい子というだけのことがよくある。おとなしいタイプの母親であったり,上何人かの女の子を育ててきて男の子が生まれてくると,動きの大きいことが必要以上に問題視されてしまうことがある。
・社会的要因…例えば,友達にいじめられたりとか,皆の前で大きな失敗をしたとかいうものである。精神的エネルギーの豊かな子は反発していくので反社会的行動になっていくが,精神的エネルギーの乏しい子どもは,集団からはじきだされていく。
特に注意しないといけないのは、過保護と過干渉。子どものことが心配だから故でしょうけども、あまりにも干渉しすぎると、子どもの生きる力を奪ってるとも言えますからね。
子どもは一人でも困難を乗り越える力があるんです。
親はサポートするだけでいいんです。あとは見守って!!!
子どもは自分の未来は自分で作る。
親はできるのは、せいぜい子どもが自己肯定感高く育つように愛を注ぐこと。
ではどんな働きかけだと有効でしょうか。
【環境的要因】子どもが自己肯定感高く育つ方法
1. 個性を尊重する
- お子さんが持つ特別な才能や個性を見つけ、それを尊重し、励まします。
- 声掛け例: 「あなたの絵は本当に独創的で素敵だね。こんなにユニークなアイデアが浮かぶのはすごいことだよ。」
\ Point! /個性を見つける方法
子どもの個性を見つけることは、親や教育者にとって非常に重要です。
個性を見つけるにあたっては、「他人の子どもと比べる」ことで判明しやすいです。
散々他人と比べないで欲しいと言ったけど、これは【親】が主語ですから!子どもの個性を見つけるために!けっっして悲観するために比較するわけだから許してもらいたい。
だって、【子どもの個性をはっきり自覚できるチャンス】だもん。
もしも個性を理解できたら、それに応じたサポートができるようになります。サポートすることで、子どもが自信を持って成長していけるようになります。楽しみですね♬
☆
では子どもの個性を見つけるためのいくつかの方法をお伝えしましょう。
■観察する
日常生活の中で、子どもがどんな活動や遊びに興味を持っているかを観察します。子どもが何に興味を示し、どんな状況で楽しそうにしているかを注意深く見てみましょう。
例:読書、イラスト、虫の観察など
■話を聞く
子どもとのコミュニケーションを大切にし、彼らが何を考え、どんなことに興味を持っているかを聞くことも重要です。話をすることで、彼らの内面的な考えや感情を知ることができます。人によって捉え方は異なるので、是非話しを深堀してみてください。
■色々な経験をさせる
様々な活動や趣味を試す機会を提供することで、子どもが自分の好きなことや得意なことを見つける手助けになります。例えば、音楽、スポーツ、アート、科学など、異なる分野に触れることは良い刺激になり想像力が豊かになります。
■強みと弱みを理解する
子どもが得意なことと苦手なことを把握することは、個性を理解するうえで欠かせません。成功体験や失敗体験を通じて、子どもの強みや課題を知ることができます。
■自由な遊びを奨励する
子どもが自分のペースで自由に遊ぶ時間を持つことは、創造性や想像力を育むのに役立ちます。このような時間は、子どもの本当の興味や才能を発見する機会となります。
■教師や他の大人からのフィードバック
学校の教師や他の大人からのフィードバックも貴重です。彼らは異なる視点から子どもを見ることができ、親が気づかない点を指摘してくれるかもしれません。
■認めて褒める
子どもの努力や成果を認め、褒めることで、自分の強みや個性に気づく手助けをします。自分に自信を持つことができると、さらに自分らしさを伸ばすことができます。
☆
これらの方法を組み合わせて、子どもの個性を発見し、育んでいくことが重要です。個性を尊重し、適切なサポートを提供することで、子どもは自分らしく成長できるでしょう。
まぁ、正直時間と心の余裕が求められますよね。
手っ取り早い手段としては、保育園の先生など、他児と比較できる環境に身を置いてる人に聞いてみること。ただし、集団活動の中では主張を抑えてる子もいるので、やはり、一番は家庭で見つけることですかね。
2. 努力を称える
成績や結果だけでなく、努力や過程を褒めることが大切です。これにより、他人との比較ではなく、自分自身の成長を大切にする姿勢が育まれます。
声掛け例: 「結果よりも、一生懸命に取り組んだことが大事だよ。どんなに小さなことでも、自分を褒めてあげてね。私はこんな所が素敵だと思ったよ!」
3. 比較を避ける
他の子どもと比較することは避け、お子さん自身の目標や進歩に焦点を当てるようにしましょう。例えば一番多いのは、兄弟や友達と比べてしまうケース。つい「お兄ちゃんはちゃんと片付けるのに…」「〇〇ちゃんはもう□□やってるってよ。」など口に出してしまいますよね。これ、自尊心が傷つき、兄弟間の競争意識が高まったり、他者からの評価を過度に気にするようになるので気を付けましょう。(自戒)
声掛け例: 「他の子と比べる必要はないよ。あなたが今できることに集中して、自分のペースで進めばいいんだよ。」
4. 自己肯定感を育む
子どもが自分を肯定できるように、「自分に誇りを持つ」ことの大切さを伝えます。
我が家は毎晩寝る前に3つ、その日の良かったこと、嬉しかったことを発表します。
すると「自分の働きで嬉しい結果になった」とか、「これができるようになった」など、自分と向き合う癖がつき、かつ、ポジティブな内容なので、自己肯定感は上がっていきます。
声掛け例:「君はそのままで素晴らしいよ」「自分のことを大切にしてね」
5. 自分の意見を尊重する
お子さんが自分の考えや意見を持ち、それを表現できるようサポートします。
声掛け例: 「あなたの考え方、とてもいいね。どうしてそう思ったのか、もっと聞かせてくれる?」
6. 失敗を恐れない環境作り
失敗は学びの一部であることを伝え、チャレンジを応援します。
我が家も失敗することを推奨しています。今後何が起きるかわからない未来になるから。人生挑戦が大事だから。沢山失敗して学べばいい。
声掛け例: 「失敗は大事な経験だよ。次はどうやったらうまくいくか、一緒に考えてみよう!」
7. 他者の成功を喜ぶ姿勢を教える
自分が例え良い成績結果を出せなかったとしても、他の子どもの成功を素直に喜び、讃えることを教えます。
閉幕しましたが、オリンピックが良い例になってくれますよね!例えば自分は負けたのに優勝相手に笑顔で駆け寄る姿だとか。とても印象深く残ります。自分は自分、他人は他人。みんなみんな頑張っている。
声掛け例: 「友達が成功したね、それは素晴らしいことだね。」
8. 親自身の姿を見せる
親が自分自身を大切にし、他人と比較しない姿勢を示すことで、子どもにとって良い手本となります。親がポジティブな自己評価を持っていることを子どもが感じ取ることが重要です。
他人と比較したってしょうがないですからね。だって遺伝子も生活環境も違うんだから、比べた所で…ねぇ。世の中、SNSでつい誰かと比較しちゃう傾向はありますが、そんな時は携帯を見る時間決めてメンタル削らないようにしましょ!
まとめ
いかがでしたか。
今回の配信では、いかに子どもの個性を伸ばし、自己肯定感高く育てるかについてお話しました。
他人と比べるなんてナンセンス!子どもに「自分は唯一無二であり、このまんまの自分が大好きだ!」と思ってもらえるように取り組んでいきましょう。
性格は気質と同じように変わりにくい性質を持っています。すべて子どもの個性であり,この個性を尊重する必要があります。
我が子はなにに興味があってどんな個性があるのか見定め、子どもが求めるものを実現できるようにサポートしていきましょう。
参考文献:
・https://www.jstage.jst.go.jp/article/personality/13/1/13_1_120/_pdf
・〔東京家政大学生活科学研究所研 後藤 瑠美亜 file:///C:/Users/l3oo0/Downloads/2012_s_0141.pdf
・https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25961374/