川崎病は、主に乳幼児に見られる疾患ですが、その症状や治療法について理解することは、医療提供者だけでなく保護者や保育者にとっても非常に重要です。
今回の配信では、川崎病の特徴的な症状から入院期間中におすすめのおもちゃについてお伝えします。
川崎病とは？
川崎病は、4歳以下の乳幼児に多く発症する、全身の血管に炎症が起こる病気であり、特に心臓の血管に影響を与えることが知られています。この病気は、1967年に日本の小児科医川崎富作によって初めて報告され、以来、世界中で症例が報告されています。
症状の特徴
川崎病の症状は多岐にわたりますが、特に以下のような特徴が見られます
- 発熱：通常、5日以上続く高熱が見られます。
- 皮膚の炎症：手足の赤み、腫れ、そして後には皮膚の剥けが見られます。
- 結膜炎：目の白目部分が赤くなることがありますが、目やにやひどい痛みは伴いません。
- 口腔の変化：唇の赤みや亀裂、イチゴ舌などが特徴です。
- リンパ節の腫れ：首のリンパ節が一方的に腫れることが多いです。
これらの症状は、他の病気と混同されやすいため、診断が難しい場合があります。
診断と治療
川崎病の診断は、特定の検査によるものではなく、主に症状と患者の医療史に基づいて行われます。治療には、免疫グロブリンの静脈内投与とアスピリンの使用が一般的です。これらの治療は、症状が出現してから早期に開始されることが、合併症のリスクを減少させるために重要です。入院期間は1回目の免疫グロブリン投与とアスピリンの内服で症状と炎症反応が改善すれば、約1週間～14日で退院としている病院が多いそうです。
保育での配慮
保育環境においては、川崎病を抱える子どもに対する理解と配慮が必要です。特に、体調管理には細心の注意が必要とされます。発熱が見られた場合には、すぐに保護者や医療機関に連絡を取る必要があります。また、疲れやすさ、不機嫌さなどの症状を訴えることもあるため、無理をさせず、休息を取る時間を確保することも大切です。
入院中の川崎病患者への配慮
川崎病は治療と経過観察のために入院を要することが多いです。先述した通り、入院期間は約1週間～14日とされています。子どもが入院中に感じる不安を軽減し、治療がより効果的に進むよう配慮することが重要です。
環境設定
- 快適な環境：入院環境をできるだけ快適にすることが大切です。子どもの好きなおもちゃや絵本を持参し、不安を和らげるためのアイテムをそろえることが助けになります。
- 静かな環境：過剰な刺激は避け、静かで落ち着いた環境を提供することが心地よさを増します。
コミュニケーションの重視
- 説明を分かりやすく：医療スタッフは治療の目的や手順を子どもにも理解できるように簡潔かつ明瞭に伝えることが求められます。
- 親子のコミュニケーションを支援：親と子どもの間のコミュニケーションを促進し、安心感を提供する工夫が必要です。
心理的サポート
- 遊びやアクティビティ：遊びや創造的なアクティビティを取り入れて、入院生活のストレスを減らす努力が重要です。
病棟保育士による おすすめの玩具
通常入院中は一畳前後のベッドで過ごすことになりますので、コンパクトでかつ散らからない玩具がおすすめです。また、病院によっては感染症対策を兼ねて布製の玩具を禁止している所もあるので、消毒できるプラスチック製品がおすすめです。
【1歳～2歳向け】
▼アガツマ(AGATSUMA) アンパンマン おでかけスイッチミニ
→ストラップ付きなのでベッドの柵に括り付ければ、ベッドから落ちないように予防できます。
▼タカラトミー(TAKARA TOMY) 『 プラレール ぷっしゅでゴー! かんたんはじめてプラレール カラフルとっきゅうセット 』
→このくらいのサイズならベッドの上でも遊べますし、線路がボードにくっついているので片付けも簡単です。
▼ピープル ピタゴラス(R) 知育いっぱい!ボールコースター
→ 空間認識力を育てる知育玩具。お見舞いに来た時に一緒に組み立てて遊ぶと楽しく脳を刺激できそうですね。
まとめ
川崎病は、正確な診断と迅速な治療が極めて重要な疾患です。家庭や保育環境での適切なケアと早期の医療介入により、合併症のリスクを最小限に抑えることができます。保育者や保護者が症状を正しく理解し、適切な対応をとることが、子どもたちの健康を守る上で非常に重要です。
また、入院期間は一週間を超えることが多いので、精神的な負担を減らせるように環境を整えてあげることが重要です。病棟保育士がいる病院でも一人でベッドで過ごすことも増えるのでお子様の好きな玩具を用意してあげたり、お見舞いに行った際は沢山体に触れて遊んであげて、無事に退院を迎えられるようサポートしてストレスを軽減してあげましょう。
