保育士が伝授!子どもが「ママにだけわがまま」になる3つの理由と、心が軽くなる接し方

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「なんで我が子はママにだけわがままなんだろう。」
「私にだけ叩いたり蹴ったりが酷くない?私の育て方が間違ってるの?」

パパの前や外では良い子なのに、自分の前では爆発する姿に疲れてしまうママも少なくありません。

実は「ママにだけわがまま」を見せるのは、脳科学や発達心理学的に自然なこと。
この記事では、理由や背景をわかりやすく解説し、今すぐ使える具体的な対応法を紹介します。
読むことで「普通なんだ」と安心でき、子育ての負担が軽くなるはずです。

記事を書いたのは、これまで10,000人近くの子ども達と接してきた保育士!保育園正職員、ベビーシッター、病棟保育士(入院している子どものお世話)の経験から、子どものワガママについて読み解きます!

「ママにだけわがまま」なのは普通のこと?

子どもがママにだけわがままを言うのは、決して珍しいことではありません。

脳科学的に見ると、子どもは感情を調整する前頭前野がまだ未熟で、思ったことをそのままぶつけやすい時期にあります。発達心理学の「安全基地」という考え方では、子どもは最も信頼できる人に安心して本音を出すものとされます。

つまり、ママにだけわがままを見せるのは、信頼関係が築けている証拠なのです。
生物学的には、子どもが生き延びるために特定の養育者に強く依存するのは自然な行動です。パパの前や園では頑張って抑えている分、ママの前では安心して感情を解放しているとも言えます。

なぜママにわがままが集中するのか?3つの背景

ママにわがままが集中するのには、大きく3つの背景があります。

まず1つ目は「愛着形成」です。
子どもは一番安心できる存在にこそ、本音や甘えを存分に出せるのです。特にママと接することでオキシトシン(愛情ホルモン)が分泌されやすく、脳の緊張が解れて落ち着きやすくなります。これを子どもは本能でわかっています。

2つ目は「脳の未熟さ」です。
感情をコントロールする前頭前野はまだ発達途中で、感情を抑える力が弱く、一番心を許せるママに向かいやすくなります。

3つ目は「環境の違い」です。
園や外では無意識に我慢を重ね、家に戻るとその反動で爆発してしまうのです。つまりママにわがままが集まるのは、子どもが安心できている証拠であり、発達上ごく自然なプロセスといえます。

ママの心を軽くする視点と対策

子どもとの信頼関係がしっかり築けているからこそ甘えてしまう。それはおわかりいただけたと思います。されども!されども、ママにだけツラくあたられるのは、ママの身としてはツラいですけどね!?

ママだって人間。相手は我が子とて、傷つくものは傷つくんです。
だからね、子どもだからすべて甘えを許す必要はありません。ここまでは許せるけど、これ以上はダメ、としっかり線引きしていくことが、ママの心を守り、かつ子どもの社会性を築くことにも繋がります。

具体的な対応方法(すぐに使えるフレーズ&行動)

子どもがママにだけわがままを見せるとき、感情的に叱るだけでは逆効果になることがあります。なぜなら、脳が落ち着くようにママに助けを求めてるのに、叱られることで、さらに脳が緊張してしまうから。

ここでは脳科学・発達心理学的なメカニズムを踏まえた対応を紹介します。「あ、また始まったな」そう思った時は、次の対策を参考にしてください。

①まずは子どものネガティブな感情を吐きださせる

子どもが感情的になっている=脳が緊張状態にあるということです。
先述した通り、1~3歳の子どもは感情をコントロールする前頭前野が未発達で、強い感情を自力で鎮めることができません。このため、一時的に可能なのは「恐怖を与えた時のみ。」

なので、まず脳の緊張を和らげるために、子どもが泣いたり、怒ったりしていたら、そのまま受け止める。決して拒絶してはいけません。大きな声で怒鳴るかもしれません、物にあたるかもしれません。だけど、これが一生続くことはもちろんなく、おそらく数分~落ち着きます。(ここで拒絶したり、反論したら、さらに癇癪は延長します…)

もしも可能であれば、触れてあげるとオキシトシンが分泌され、より脳の緊張が落ち着きやすくなります。が、タイミングの見極めが大切なので、一度触れて拒否したら数分置きましょう。

②「そうか、○○だったんだね」と、とりあえず共感する

子どもがなにか主張してきたら、まずは「共感」していきます。

親が「○○したかったんだね」「嫌だったんだね」と気持ちを代弁してあげると、子どもの扁桃体の興奮が和らぎやすくなります。

「いや、これきっかけだったじゃん」「え、さっき言ってたことと違うじゃん」など、ツッコミを入れたくなることもありますが、まずはオウム返しのように気持ちを代弁してあげる。

完全にオウム返しがいいです、予測で言えたら確かに時短ではありますが、3回以上間違えたら「私のことわかってくれてない!!!」と、怒りがエスカレートする可能性があります。まずは前に出てる主張を受け止め、少しずつ本当にイヤだったことを深堀していきましょう。

おそらくこれを繰り返すことで、脳の緊張は落ち着いてきます。そうしたら次のステップです。ここから対応に3つほど選択肢が発生するので、参考にしてください。おそらくこれを繰り返すことで、脳の緊張は落ち着いてきます。そうしたら次のステップです。

③-1:「じゃあ、○○と△△、どっちがいい?選んでいいよ」と代替案を出す

落ち着いてきた「代替案の提示」です。

「ダメ!」とだけ伝えると反発が強まりますが、「じゃあ、Aにする?Bにする?」と選択肢を与えてあげると、受け入れやすくなります。子どもは自分で選んだ感覚を持ちやすく、わがままの爆発が減ります。これは自我が芽生える時期の「自己決定欲求」を満たすうえで有効です。

③-2:話題を反らして雰囲気を変える

問題となっていることから意識を反らしたい場合、全く関係ない事柄で雰囲気を変えるのも効果的です。

例:「保育園に行きたくない!」と主張→落ち着いてきた→「あれ?そういえば、ママのお気に入りのピアスどこ行ったかな!?え!あれ!?○○ちゃん、一緒に探してくれる?」

これは発達心理学でいう「転導法」に近く、注意を別の対象へ移すことで気持ちを切り替えさせる方法です。

③-③:何してもダメそうなら、静かに寄り添う「タイムイン」

癇癪が激しいときには「タイムイン」がおすすめです。

子どもを突き放すのではなく、抱っこやそばに座る形で静かに寄り添い、落ち着きを取り戻すのを待ちます。脳科学的には、安心できる大人の存在が副交感神経を優位にし、興奮を沈める効果があります。


注意したい、「わがまま」と「甘え」の線引き!

一方で「泣けば何でも叶う」と学習させないことも大切です。

要求をすべて受け入れるのではなく、線引きをしながら「気持ちはわかるけどこれはできない」と一貫して伝えると、子どもは徐々に自己調整力を育てていきます。もちろん、最初は長い時間葛藤するかもしれませんが、繰り返すたびに学習していきますからね。大丈夫ですよ、まずは小さな一歩から。

日頃できるケア:愛情タンクを埋めよう

子どものワガママが激しい時、それは心のSOSかもしれません。

新しいクラスになれない、お友達と喧嘩した、兄弟が生まれて環境が変わった、など、親の知らない所で子どもの中ではストレスが蓄積されています。

それが爆発して、大好きなママにワガママという形で放出してしまうんです。

爆発する前にできる対策が「愛情タンク」を埋めること。
「僕が僕でいられない」という不安を感じているから、子どもは葛藤しているんですから、「どんなあなたでも、ママは大好きだよ」という愛情を、日頃から伝える必要があります。

愛情の注ぎ方は、いくつか種類があります。
①スキンシップ
②肯定的な言葉
③お手紙などのちょっとした贈り物
④一緒に過ごす時間
⑤奉仕的なお手伝い

この中でも特にオススメなのは「スキンシップ」。

肌は第二の脳と言われている程、直接脳に届きます。
膝に乗せて絵本を読んだり、行ってらっしゃいのハグをしたり、日頃からスキンシップを図ることで、子どもは愛情を受け取りやすくなります。オキシトシンの分泌も他の4つと比較しても、幼いうちは各段に違います。(個人差はあり)


科学的な仕組みを理解しておくことで、イライラを減らしつつ子どもの心の成長を支えられるのです。

まとめ

ママにだけ感情をぶつけるのは「信頼関係があるからこそ」であり、成長過程のごく自然な姿です。だからこそ、親の心が疲弊しすぎない工夫と、子どもの感情を支える工夫が必要になります。

この記事で特に重要なポイントをまとめると、以下の通りです。

・子どもがママにだけわがままを見せるのは「安全基地」だから
・前頭前野が未熟なため感情をコントロールできず、爆発しやすい
・園や外で我慢した反動を家庭で安心して解放している
・感情を代弁して共感し、短いフレーズで安心を伝えると効果的
・代替案や選択肢を与えることで自己効力感が育つ
・タイムインやスキンシップでオキシトシンを促し、落ち着きを支える
・線引きを設けて「甘え」と「わがまま」を区別することも大切
・日常的に「愛情タンク」を満たすことで爆発を防ぎやすくなる

つまり、わがままの裏側には「安心したい」「自分をわかってほしい」という心の声があります。そのサインを脳科学的な仕組みとして理解しておくと、感情的に振り回されることなく、対応できるようになります。

あとはね、諦めの心ね!
対応はかなり大変だと思うので、「きつい」と思ったら、自分に+100円課金してあげてください。子どもがワガママを言うたびに、お金の音が脳内再生できるようになりますよ!(チャリーン!)

子育てに「完璧な対応法」はありませんが、「子どもは信頼できる人にだけ本音を出す」という事実を知っているだけで、ママの心はぐっと軽くなります。大人でもそうですもんね、誰これ構わず泣きごとは言わないでしょ?子どもも同じです。弱みを見せる怖さを本能で知っているんです。

わがままは、成長の一部であり、親子の絆がしっかりと結ばれている証拠。科学的な視点を味方に、安心して日々の育児に取り組んでいただければと思います。

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