準備はいつから?子離れを開始する適切な時期と空の巣症候群について

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気付かないうちにソッ…と忍び寄る「親離れ・子離れ」の時期。

今回は「子離れ」について。

え、私、できる気がしない…!

正直娘たちが可愛くてしょうがなくて、まさに生き甲斐だから、常にこの子達の事優先で考えてるし、大切にしていきたい。

だからさ!

だからこそ、子離れに向けて準備をしましょうよ!

子離れは親として寂しいけれど、子どもの成長には欠かせないステップです。

例えると、まるで自転車の補助輪を外すようなもの。
最初は不安かもしれませんが、やがて子どもは自分でしっかりとペダルをこぎ、バランスを取れるようになります。

親のサポートはまだ必要ですが、少しずつ自立していくために必要!

今の年齢とサイズ感で永遠にいて欲しいと思うけど、いち生物としての現実を受け止め、子どもの明るい未来の為に準備していきましょう!

子離れを始める時期はいつ?

一般的に、子離れを始める適切な時期は、小学校高学年から中学校にかけてと言われています。

この時期は、子どもが自分の意見を持ち、友達関係や学校生活で自立を始めるタイミングです。
もちろん、子どもの成長や性格によって異なるので、その子に合わせた対応が大切です。

じゃあ、時期がきたらすぐに始めるべき?

いえいえ、「子離れ」は段階的に進めることが大切です。
ここでは幼少期、小学校低学年、小学校高学年、中学生と段階を分けて説明します。

【幼少期】基本的なサポートと愛着形成

幼少期、子どもはまだまだ未熟です。自分で多くのことをできないため、親や保育者が全面的にサポートします。
食事、着替え、トイレなどの基本的な生活習慣に加えて、集団生活における社会のルールなどを教えて行きます。

子ども側である「親離れ」には、幼少期に築かれる、大人との【愛着形成】が大きく関わってきます。【愛着形成】の土台が備わっていると、子どもは将来感情や行動の調整がうまくできるようになり、自己肯定感が高まります。 そして、自分と他人との関係を良好に保つ能力を身につけます。

【愛着形成】は、特に生後6ヵ月から3歳頃までの間に築かれます。大人が愛情たっぷりのコミュニケーションをとることで形成されます。3歳までに取得した愛着は6~7割ほどが人生で変わらない礎(いしずえ)となります。

また、幼少期は子ども自身「自分の力を試してみたい!」と意欲的に動く時期でもあるので、やる気を阻害しないように温かく見守りましょう。様々な体験や肯定された経験が、のちの自信へと繋がります。

\ 関わり方のpoint
・ケガに繋がったり、他人に迷惑をかけるような行為でない限り見守りましょう。
・5歳以降から相手の気持ちを考慮できるようになるので、もしも兄弟や友達との間でトラブルが生じたら、「どうしたらいいか」子ども自身に考えさせるきっかけにしましょう。
・「愛着形成」は、3歳までの過程で完成と言われていますが、それ以降の年齢でも「獲得型の愛着」と言った形で、獲得することが可能です。

【小学校低学年】自律性を育む段階

小学校低学年は、子どもが少しずつ自分のことをできるようになる時期です。
子どもに選択肢を与え、自分で考えさせる機会を増やしていきましょう。
例えば、自由研究などの自分で調べたり実験したりする機会だったり、「どうしたら兄弟でゲームの取り合いにならないか」など身近な問題から取り組んでみるといいでしょう。

もしも自分で考え、提案・実行できた時は褒めてあげると効果的です。「自分でなにが必要か考えられた上に、最後まで自分でできたんだね!」など褒めるに至った理由を伝えると、より自己肯定感は高まり、次回のやる気へと繋がります。

もしも出来なかったところ、改善点があれば、一緒に考えてみてもいいかもしれません。

\ 関わり方のpoint
自律性を育むための関わり方についてお伝えします!

・ルーティンの確立
朝の準備や帰宅後の片付けなど、毎日同じ手順で行う活動をルーティン化することで、子どもは自分で行動を計画し実行する習慣を身につけます。

・成功体験を積ませる
簡単な家事や役割を任せることで、自分でやり遂げたという達成感を感じさせ、自信をつけさせます。

・目標設定のサポート
短期的な目標を一緒に設定し、その達成を見守ることで、計画的に行動する力を育てます。

・失敗から学ぶ環境を提供する
ミスをしても責めず、「次はどうする?」と考えさせることで、失敗を成長のチャンスに変える姿勢を育みます。

・感情の自己管理を支援する
感情を表現する方法や、落ち着くための方法を教えることで、感情をコントロールする力をつけ、自律的な行動に繋げます。
⇒子ども向けのアンガーマネジメント対策として、Wheel of Choice(ホイールオブチョイス)がおすすめです。下の記事の最下部にありますので、参考にご覧ください。

【小学校高学年】責任を持たせる段階

子どもが自分で考え、行動する力がついてきたら、責任を持たせる段階に移ります。
この時期は、少しずつ親が手を引き、子どもが自立して行動できるよう促します。
例えば、目標を達成するために、より細かく計画を立てるようにするとか、今まで親に評価してもらっていた所を、自己分析してみて評価に繋げるだとか。

意識するのは、まさにPDCAですね。

P(Plan…計画)、D(Do…実行)、C(Check…評価)、A(Action…改善)

例えば、夏休みの宿題を例にすると…

  • Plan: 1日にどれくらいの宿題をするか計画を立てる。
  • Do: 計画に従って宿題を進める。
  • Check: 予定通り進んでいるか確認する。進んでいない場合、どこで遅れたかを確認する。
  • Act: 遅れているなら、時間の使い方を見直し、新たに計画を修正する。

このように、PDCAサイクルを日常の中に取り入れることで、小学生でも責任を持たせる力・目標を達成する力が身につきます。

\ 関わり方のpoint
他にもこんなPDCAサイクルの活用方が!

■家族内での役割を与える
・P: 食事の後片付け、週末の掃除、ペットの世話などをどの家事や家庭内のタスクを相談して決める。
・D: 役割を実際に子どもに任せ、責任を持って取り組むよう促す。
・C: 定期的に役割の遂行状況を確認し、どのように取り組んでいるかフィードバックを伝える。良かった点や改善が必要な点を具体的に伝えることがポイント。
・A: フィードバックに基づき、次回の取り組み方を一緒に考えます。必要に応じて役割の変更や、新しい責任を加えることも検討してもOK!

■目標設定と振り返りを習慣化する
・P: 学校の勉強やクラブ活動、その他の個人的な目標を設定する。
例:テストで90点以上を取る、毎日30分の読書をするなど、達成可能な具体的な目標を立てる。
・D: 設定した目標に向かって日々努力するようにサポートする。親も一緒に取り組むと、子どもが一人ではないと感じてやる気が上がるかも。一緒のテーブルで仕事するだけでも違いますね。
・C: 週末などに、目標に対する進捗を一緒に確認する。何が上手くいっているのか、どこでつまずいているのかを話し合い、子ども自身が状況を客観的に見られるようにする。
・A: 次の週や月の目標設定時に、前回の経験を活かして目標を調整したり、新しい方法を試したりする。

■失敗を学びの機会にする
・P: 子どもが失敗しても大丈夫な環境を整え、失敗を恐れずに挑戦することを褒める。
・D: 子どもが新しいことに挑戦し、失敗した場合でも、まずはその努力を認めることが大切です。
・C: 失敗の原因を一緒に分析し、どのようにすれば次回成功できるかを考える。子ども自身が自分の行動を振り返り、改善点を見つけられるように導きだすのがコツ。
・A: 失敗から学んだことを次の挑戦に活かすように促す。また、再挑戦する機会を与え、成功体験を積ませることが重要。

【中学生】見守る段階

この時期は、子どもが自分の判断で行動し、親はサポート役に回ることが重要です。子どもが失敗したり困難に直面したりすることもありますが、その際に適切なアドバイスを与えるよう心がけます。

\ 関わり方のpoint
適切なサポートをすることで、子どもが自立し、健全に成長する手助けができます。

■聞く姿勢を大切にする
まずは子どもの話をじっくりと聞くことが大切。問題に対する彼らの考え方や感情を理解することで、より的確なアドバイスができるように。途中で遮らず、共感を示しながら話を聞くことが信頼関係を深めることも。

■直接的なアドバイスを控える
すぐに解決策を提示するのではなく、「どう思う?」や「どうしたい?」と問いかけ、子どもが自分で考える時間を与えることが大切。自分で解決策を見つけたときの達成感は、成長の大きなステップとなるはず。

■共感と励ましを忘れない
子どもが困難に直面したときは、まず感情に寄り添い、理解を示すことが大切。「大変だったね」「頑張ったね」といった言葉が、子どもにとって大きな励みになり、自尊心を守ることができます。

■日常の会話を大切にする
日常的な会話の中で、子どもが気軽に話しやすい環境を作ることが大切。特に問題がないときでも、食事の時間やちょっとした時間を利用して、自然な会話を楽しむことが、いざというときの相談しやすさにつながります。

■ロールモデルとしての姿勢を示す
親が自分自身の行動や態度で模範を示すことも大切。困難に対してどう向き合うか、問題をどう解決するかを親自身が実践し、子どもに見せることで、自然とその姿勢が伝わります。

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完全な子離れに向けて親ができること。
ここまでまとめると、
・幼少期では…愛着形成を築いた上で、日常生活や集団生活などの社会のルールを教える
・小学校低学年では…自律性を育むためにルーティンの確立や目標達成までのサポートを行う
・小学校高学年では…責任を持たせるためにPDCAサイクルを意識した取り組みを促す
・中学生では…自分で解決策を見つけられるよう壁打ち相手になり、共感と励ましを忘れず見守っていく

といったところでしょうか。
連ねてみると段階を踏んでいることがよくわかりますねェ…

これ以降はどうなるかというと、
高校生は「自立した生活の準備段階」に入り、ほぼ手放しとなります。生活費の一部を自分で管理させたりすることも有効です。そして、高校卒業後に「完全な子離れ」となるわけです。

あーっ!子どもと過ごせる時間、あっという間だなぁ。。

段階があることで、親も子どもも無理なく「子離れ・親離れ」ができるようになっていきます。
しかし、子離れすることで問題となることがひとつ。

「空の巣症候群」の発症です。

この空の巣症候群についても触れていきましょう。

空の巣症候群とは

空の巣症候群(からのすしょうこうぐん)は、子どもが成長して家を離れていく過程で、特に母親や父親が感じることが多い、喪失感や孤独感のことを指します。要は適応障害の一種ですね。無気力になり、鬱(うつ)になります。

また、体にも変化が以下のような症状が生じることも。

  • 食欲不振
  • 動機、息切れ
  • 強い倦怠感、疲労感
  • 吐き気
  • 頭痛

空の巣症候群が起こる原因

  • 長年の習慣の変化: 子どもが家にいたころのルーティンがなくなることで、生活に大きな空白が生まれることがあります。
  • 子育ての終わり: 子育てが長年の中心だった親にとって、子どもが巣立つことは自分の「仕事」が終わったように感じられます。
  • ライフステージの変化: 特に中高年の親にとって、子どもの独立は自分たちのライフステージが大きく変わる節目でもあります。これが自分の老いを意識させるきっかけとなることもあります。

んん…長女が小学校高学年になり、子どもの手が離れつつある今、すでに寂しさあるんだけど。
老後怖い。

なりやすい人の特徴

・何事にも一生懸命で、努力家の方
・家庭の外に交流の場がない方
・パートナーとの信頼関係が構築できていない方

はいはい!すでに予備軍です!!基本的に友人との交流は少なく、最後の項目に至っては、ひとり親です!!では対処法を見て行きましょう。

空の巣症候群への対処法

  1. 新しい趣味や活動を見つける
    子どもが家を離れた後、新しい趣味や活動に取り組むことで、生活に新たな意味を見出すことができます。ボランティア、趣味のクラス、スポーツなど、興味を持てるものを見つけましょう。
  2. パートナーや友人との関係を深める
    子どもがいなくなった時間を使って、パートナーや友人との関係を再構築しましょう。二人で旅行に行ったり、趣味を共有することで、再び絆を深めるチャンスです。
  3. 自己ケアを大切にする
    心身の健康を保つために、適度な運動や健康的な食生活を心がけ、メンタルケアも忘れずに行いましょう。
  4. カウンセリングを受ける
    空の巣症候群が深刻で、日常生活に支障をきたすようであれば、専門家のカウンセリングを受けるのも有効です。話すことで気持ちを整理し、前向きに対処する手助けを得られます。

基本的に鬱からの脱却方法と似てますね。
しかしつ注目して欲しいのは、「パートナーとの関係を深める」というところ。
そう、夫婦仲が空の巣症候群に大きな影響を与えるんです。

パートナーの関係がもたらす子離れへの影響

九州大学が大学生の子どもを持つ母親151名に対して行った研究があります。

それによると、

子どもとの同居や母親の就業状態は関係なく、夫婦関係が良くないと認知している母親は,良好であると認知している母親よりも子どもの成長に 対して寂しさや疎外感を感じていることがわかった

ま、そりゃそうだよね。

・普段から頻繁にコミュニケーションを図る仲の良い夫婦は、子離れという課題に対し、普段から夫婦が同じ姿勢で共に取り組むことができている。母子の一対一の場面では心配や不安を感 じたり、干渉したい気持ちを抱いたりしても、夫と関わりを持つことによって、気持ちを子離れの方向へ一歩進めることができる。
・夫婦仲が悪いと、育児に対する不安を夫と共有していることが少なく、夫からの共感や情緒的支えが乏しいために、その感情が解決できなかったり、さらに寂しさや不安感が増すこともある。これにより子どもにさらに依存するようになる。

としています。

なるほど?パートナーとの関係性大事な?

ちなみに空の巣症候群は女性が特になりやすいとのこと。
育児を女性が担ってきた社会的な役割が子離れによってなくなるということもありますが、女性ホルモンも空の巣症候群に関係しているようで。

ちょうど平均的に子離れする時期であろう40~50代の女性は、閉経期(へいけいき)に差し掛かる時期。エストロゲンという女性らしさが培われるホルモンが減少します。このエストロゲンの減少が、感情の不安定さやうつ症状を引き起こしやすくし、空の巣症候群を強く感じる要因の一つとなります。

ああん。ホルモンの影響はどうしようもないじゃん。パートナー我欲スル。
わかるよ、育児においてどれだけパートナーの存在が大きいか。
普段病院で保育しているとさ、子どもの病気や入院中の様子について相談し合う夫婦をよく見るんだけど、支え合ってるもん。夫婦間で不安を共有して、お互いに協力し合い、子どもと向かい合ってるもん。そんな夫婦の子どもはみんな自立してるんだ。
個性もあるかもしれないけど、愛着形成がしっかりしてるから、寂しいはずの入院生活なのに、大変飄々としてて、大人が驚かされる。生きる力がついている子どもは魅力的に映る。

なら、ひとり親だったり、夫婦仲が悪いと、子離れや親離れへの影響はあるの?
それは否定できると思います。

だってさ、ひとり親なら、基本的に自分のワークスタイルは変わらないじゃない、働いてるはずだから。夫婦仲が悪い場合はさ、友達とか作ってそこで関係性保ってるじゃない。居場所があるって大事。

だからそこまで心配しなくても大丈夫。あくまで自分の精神的負担を少なくするためには「夫婦の仲がよいこと」ということだけ。

では、ここで、子離れを進めるために親が大切にしておくべくポイントを紹介します。

子離れを進める上で親が心掛けるべき大切なポイント

  1. 信頼を持って任せる
    子どもが自分で物事を判断し、決められるような場面を増やしましょう。例えば、学校のクラブ活動や放課後の過ごし方など、自分で選ばせることで、責任感が育ちます。
  2. 失敗を許す
    子どもが何かに挑戦して失敗したとしても、それを責めるのではなく、学びの機会として受け入れましょう。「次はどうする?」と一緒に考えることで、問題解決能力が育ちます。
  3. 段階的に自由を与える
    最初は小さな決断から始めて、徐々に大きな決断も任せられるようにしましょう。たとえば、友達との外出の際には、「何時までに帰る?」と自分で決めさせることで、自律性が養われます。
  4. コミュニケーションを大切にする
    自立を促す一方で、親子のコミュニケーションも重要です。子どもが困ったときや悩んだときに、相談できる環境を保ちましょう。「今日はどうだった?」と日常会話を通じて心のサポートを続けることが大切です。
  5. 親自身の時間を楽しむ
    子どもが自立していくと同時に、親自身も新しい趣味や友達との時間を楽しむことが大切です。親も自分の生活を豊かにすることで、子どもにとっても良いお手本となります。

ここまで読んだら、きっと子離れに向けて準備は大丈夫。大切な存在が離れてしまうんだもん、そんな簡単なことじゃない。

最後に

子離れする時期はあっという間に来ます。気付いた時にいきなり子離れなんて、子どもは突き放された感じがするし、親子双方で大きな負担に。無理なく段階を踏んで行うことが大切です。

また、子どもが親離れを始める時期に合わせて、親である自分自身の生活を潤すことが空の巣症候群を軽減する大きなポイントです。
子育てに使っていた時間を仕事に充てたり、勉強に充てたり、趣味に充てたり…
子離れしてから夢を叶える人だって沢山いますからね!

子育ても充実した時間ですが、親離れしてからは自分へのご褒美タイム。

何を始めるか考えたらワクワクしちゃう。

先述したけれど、子離れを始めるべき時期はすぐに来ます。
18歳の成人で、まさに旅立ち。
安心して子どもを見届けられるように、最後まで子育てしていきましょ。
子どもが自律して自分で道を切り拓いていく。そんな姿を見届けられるのって、最高の親の醍醐味じゃないですか?

少し寂しくはあるけれど、愛する我が子が幸せであるように。
今日も一日家事育児仕事とがんばりましょう!


参考文献:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsyapp/12/0/12_24/_pdf

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