ベビーシッター必見!預かる時にすべき7つの地震対策

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令和6年8月8日16時43分頃に日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生したことを受け、気象庁では、南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会を臨時に開催し、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を発表しました。南海トラフ地震の想定震源域では、大規模地震の発生可能性が平常時に比べて相対的に高まっているとのこと。

従来想定されている南海トラフ巨大地震の発生確率を1週間に換算すると0.1%くらいだが、マグニチュード7クラスの地震のあとはおよそ1%となりふだんと比べると高い」と述べています。(NHK Webニュース)

また、南海トラフ地震が発生した場合に著しい地震災害が生ずるおそれがあるため、気象庁は、地震防災対策を推進する必要がある地域を示しました。

気象庁

(緑色に塗られた領域、赤線で囲まれた領域は南海トラフ巨大地震の想定震源域、内閣府資料に一部加筆)

お住まいの地域、シッティング地域が緑色に塗られた領域の皆さんは、特に注意してシッティングを行う必要があります。

では、実際にどのように注意してシッティングを行うとよいか。
ベビーシッターが行うべき地震対策についてお伝えします。

【事前】緊急連絡先の確認、災害用伝言ダイヤル(171)について共有

緊急連絡先の確認

保護者の連絡先緊急連絡先を改めて確認しましょう。
携帯番号が変更していたり、お預かり時間中は会社に電話して欲しいなど、事前に提出している電話番号と異なる場合があるので、お預かり直前にしっかりヒアリングしましょう。

災害用伝言ダイヤル(171)について

「災害用伝言ダイヤル(171)」とは、地震、噴火などの災害の発生により、被災地への通信が増加し、つながりにくい状況になった場合に提供が開始される、無料で利用できるサービスです。NTT東日本・西日本が運用しており、能登半島地震でも約53万件の利用がありました。南海トラフ「巨大地震注意」情報が出ている今こそ、使い方や利用のポイントを覚えておきましょう。
保護者には、もしも地震が発生した場合に、災害用伝言ダイヤルを利用することを事前にお伝えし、使い方についても共有しておきましょう。

【使い方】

https://group.ntt/jp/disaster/service/171.html


①「171」をダイヤルする。
②音声案内に沿って連絡したい電話番号を入力する。
番号が固定電話の場合は、被災地内から利用する場合でも必ず市外局番からかける。
③伝言を「録音」もしくは「再生」を押す。

【2つのポイント】
★番号を決めておくこと
保護者と相談して、どの電話番号を使用するか事前に決めておきましょう。
家族が別々の番号に伝言を残すと、なかなかメッセージにたどり着けません。あらかじめ話し合っておくことが大切です。
★録音する内容は簡潔に
どんな伝言を残すかも大事です。録音できるのは30秒間しかありません。
「名前(お子様とシッターの名前)」「今どこにいるか」「次の連絡は何分後にするか」など要点を簡潔に伝える必要があります。

【事前】シッティング前に[避難経路][避難場所]を確認しよう

地震発生した際迅速に避難できるように、避難経路と避難場所を予め確認しましょう。
お預かりするお子さんにも、地震が起きたらどう行動すればいいか話し合うと、地震発生時も落ち着いて行動できます。簡単な避難訓練を活動に取り入れてもよいかもしれませんね!

避難経路の確認

ベビーシッターは、お預かりしているお子様の安全を守るために、緊急時に迅速かつ冷静に行動できるよう、避難経路の確認を徹底する必要があります。

特に高層マンションでは、非常階段や避難用フロアの確認が重要です。事前にしっかりと準備しておくことで、緊急時に慌てずに対応することができます。

<高層マンションの避難経路のポイント>
①非常階段の位置確認
: 高層マンションではエレベーターが止まる可能性があるため、非常階段が主な避難経路となります。非常階段の場所を把握し、階段を利用してどこに避難できるかを確認しておきましょう。

避難先の確認: 高層階の場合、1階に避難するのが困難なこともあります。そのため、避難が可能な中間階(避難用のフロアや屋上など)の位置も確認しておくことが重要です。また、マンション内での集合場所や、外部の避難場所も事前に把握しておきましょう。

周囲の環境確認: 窓やバルコニーからの脱出が必要になる可能性もありますが、これらは危険が伴います。代替案としての避難経路や、非常用設備(例:緊急脱出ロープなど)の設置場所を確認しておくことも大切です。

また、地震が発生した場合、閉じ込められることを予防して多くのエレベーターは利用停止となります。もしもエレベーターに乗車中に地震が発生した場合は、すべての階のボタンを押して、一番早く着いた階で降りましょう。

避難場所の確認

もしも地震が発生した場合、どこに避難するか保護者と確認しましょう。
極力自宅から近い場所が望ましいですが、散歩中に発生した場合を想定し、避難場所の候補が1つ以上ある場合はヒアリングしましょう。
避難場所をお伺いしたらGoogleマップで確認し、散歩がてら実際に行ってみると良いかもしれません。

また、最寄りの避難場所までのルートを案内してくれる無料のアプリ「デジタル防災」もオススメです。

「デジタル防災」は、コンサルティング大手のアクセンチュアとソフトバンクが共同で作成したアプリで、地震などの災害発生の際、位置情報に基づいて最寄りの避難場所へのルートを案内してくれます。また、家族などに居場所を知らせることができるほか、無事かどうかなど安否情報を登録することもできます。

▼詳しくはこちら
https://www.bosai.yomiuri.co.jp/biz/article/9065

【事前】非常持ち出し袋の場所を聞こう

必要最低限の物資(飲料水、食料、応急処置セット、携帯電話の充電器、懐中電灯、子ども用のオムツやおもちゃなど)を詰めた非常持ち出し袋を、保護者に用意してもらい、常に手の届く場所に用意しておきましょう。

「あれもあったほうが良いのでは?」と途中で思う可能性はありますが、避難が第一優先です。
ミルクや離乳食などは代用方法があるので、こちらの記事を参考にしてください。

【事前】緊急時の対応方法を覚えておこう

ケガの応急処置を正しく行うことで、ケガの悪化を防ぐことができます。

お子様と一緒に避難する事になるので、事前の準備や冷静な対応が不可欠です。
あまりにも状態が酷い時は救急車を呼びますが、電話が繋がりにくくなることを考慮すると、やはり応急処置の方法は知識としてあって損はありません。

いざというときの対応を確認しておきましょう。

怪我による応急処置の方法

出血の応急処置

  • 軽度の出血: 清潔なガーゼや布を傷口に当て、圧迫して止血します。傷口が清潔であれば、包帯や清潔な布で覆い、圧迫を続けます。
  • 重度の出血: 出血が止まらない場合、動脈性出血の可能性があります。この場合は傷口を直接圧迫し、心臓より高い位置に上げます。すぐに医療機関に連絡してください。

骨折の応急処置

  • 怪我をした部分が変形している、動かすと痛みが激しい場合は骨折の可能性があります。患部を動かさないようにし、固いもの(木の板や雑誌など)で固定します。固定する際は、骨折部位の上下の関節も含めて固定するようにします。

やけどの応急処置

  • 軽度のやけど: やけど部分を冷水で5〜10分冷やします。水ぶくれができた場合は、破かずに医師に相談します。
  • 重度のやけど: 大面積にわたってらやけどや皮膚が剥がれてしまった場合は、すぐに119番通報し、医療機関に行きます。やけど部分には清潔な布を軽く当てて覆いますが、冷やしすぎないように注意します。

▼詳しくはこちらを参考にしてください。
教えて!ドクタープロジェクト:https://oshiete-dr.net/yakedo/

打撲や捻挫の応急処置

  • アイスパックや冷たい布を患部に当てて冷やし、腫れを抑えます。その後、患部を高く上げて安静に保ちます。包帯で軽く圧迫すると腫れを抑えられます。

お子様と一緒に避難する際の注意点

地震発生直後

  • 地震が発生したら、まずお子様を守ります。テーブルの下や、倒れてくるものがない場所に移動させます。お子様が落ち着かない場合は、抱きしめたりスキンシップを図ることで安心できますりお子様の好きなキャラクターのおもちゃや動画も効果的です。
  • 揺れが収まったら、落下物に注意しつつ、すぐに安全な場所に避難します。避難する際は歩ける子には必ずサンダルなどを履かせて、ガラスなどを踏まないように配慮しましょう。

■避難中

  • お子様の手をしっかりと握り、絶対に離さないようにして、混乱した状況下での迷子を防ぎましょう。
  • 落下物やガラスの破片など、危険な物がある場所を避けて通りしょう。
  • 避難所に到着したら、お子様が落ち着ける場所を見つけ、安心させることが重要です。

■連絡手段の確保

  • 万が一、避難中に離れてしまった場合に備えて、お子様に自分の名前や保護者の連絡先を覚えさせておきます。公衆電話の使用など緊急時の連絡方法を教えることも大切です。

【地震発生時】ベビーシッターとして取るべき行動

①安全な場所に移動する
揺れを感じたら、まず子どもを守るために安全な場所に移動させます。揺れが収まるまでは、テーブルの下などに隠れ、落下物から身を守ります。

②非常持ち出し袋を持って避難する
揺れが収まったら、すぐに非常持ち出し袋を持って避難します。子どもが泣いたりパニックになった場合でも、落ち着いて対応しましょう。

■在宅中に地震が発生した場合…

丈夫な机の下に避難: 丈夫な机やテーブルの下に隠れることが最も推奨されます。これにより、天井や家具などが倒れてきても、机があなたを守ってくれます。

②窓やガラスから離れる: 窓やガラスは割れて飛び散る危険性があるため、できるだけ遠ざかりましょう。

③家具や重い物の近くから離れる: 大きな家具や重い物が倒れてくる危険があるので、こうしたものから離れてください。

★ドアが歪んで開かなくなることがあるので、ドアを開けて避難経路を確保するのも重要です。

■屋外で地震が発生した場合…

建物や壁から離れる
建物や壁、フェンスなどの近くにいる場合は、すぐに離れましょう。建物の倒壊や壁の崩落、ガラスの飛散が危険です。

電柱や街灯、看板から距離を取る
電柱や街灯、看板が倒れる可能性があるため、これらのものから距離を取りましょう。

開けた場所に避難する
公園や広場、駐車場など、周囲に倒れてくるものがない広い場所に避難するのが理想です。

道路の中央に立たない
道路の中央にいると、地震後に運転中の車に気づかれず危険な場合があります。道路の端に移動するか、信号のある横断歩道など安全な場所に避難しましょう。

山や崖の近くは避ける
山や崖が崩れる可能性があるため、これらの近くからは速やかに離れてください。

揺れが収まるまでその場で待機
無理に移動せず、揺れが収まるまで安全な場所で待機しましょう。地震中に動くと転倒やケガのリスクが高まります。

津波のリスクに注意
海辺にいる場合、強い揺れを感じたら、すぐに高台や内陸部に避難しましょう。津波の危険性があるからです。

【避難後】お子様の心のケアを行いつつ、保護者を待とう

避難場所に着いた後、保護者や伝言ダイヤルに連絡し、無事を伝えます。

保護者が到着するまで、子どもの心理的ケアが求められます。
落ち着かせ、安心させるために、優しく声をかけるようにしましょう。

お子様の心のケアに有効な5つの手段

1. 安全と安心を確保する

  • 物理的な安全: 子どもが安心して過ごせるエリアを設け、危険な物や場所に近づかないよう配慮します。
  • 心理的な安心: 親や信頼できる大人が近くにいることで、子どもは安心感を持てます。親子が離れないように心がけましょう。

2. 情報提供と説明

  • 年齢に応じた簡単な言葉で、今何が起きているのか、そして次に何が起こるのかを説明します。不安を和らげるため、正確で落ち着いたトーンで話すことが大切です。

3. 日常のルーティンを維持

  • 可能な限り、日常のルーティン(食事、睡眠、遊びの時間など)を維持します。これにより、子どもは普段の生活に近い感覚を取り戻し、安心感を得られます。

4. 遊びや活動を通じたケア

  • 遊び: おもちゃや簡単なゲームを提供し、子どもたちが気を紛らわせる機会を作ります。遊びはストレスを軽減するために効果的です。
  • アート活動: 絵を描いたり、クラフトをしたりすることも、感情を表現する手段として役立ちます。

5. お子様の気持ちを受け入れる

  • 大きな地震による恐怖と、非日常感にお子様は大きな不安を抱くことがあります。いち保育士として、お子様が感じていることを話せるようにサポートし、恐怖や不安を表現できる環境を作りましょう。大人が共感的に話を聞くことで、お子様自身感情を受け入れて、安心感を覚えます。

【事前】シッター自身の被災グッズも常備しよう!

警視庁災害対策課が発表した防災ボトル。災害は、いつどこで起こるかわからないからこそ、防災グッズを持ち運びたい。「防災ボトル」はウォーターボトルに入っており、必要なものをコンパクトに所持できるので参考になります。

[参考]防災ボトルに入れるもの

防災ボトルには、非常時に必要な最低限のものを用意します。
多くは100均で購入できるので参考にしてみてください。
・ウォーターボトル500ml …100均
・ホイッスル …100均
・圧縮タオル …100均
・エチケット袋 …100均
・ばんそうこう、薬
・歯ブラシ …100均
・現金
・羊羹 …100均、熱中症予防のタブレット
・懐中電灯 …100均

我が家は子ども達の分も用意しており、外出する際は持って行くようにしています。
リュックに入れてもコンパクトなのでかさばらず、おすすめです!

参考記事:防災ニッポン
https://www.bosai.yomiuri.co.jp/feature/10417

まとめ

以上、ベビーシッターにおすすめしたい地震対策についてお話しました。
シッティング中は基本的にお子様と一対一で在宅が多いと思います。
住んでいない地域の情報はなかなか得るのが難しいので、事前にしっかりヒアリングしておくことが大切です。特に高層マンションの場合はシェルターが備えられている場合がありますので、情報を聞き漏らさないように気をつけましょう。

また、シッティング中にお子様と避難訓練を実施することもオススメです。
例えば、どこの場所に隠れる、どの段階で外に出るかなど避難までの方法を一緒に話し合ってもいいですね。

巨大地震の可能性が高まっています。
いつどこで発生するかわからないからこそ、備えあれば憂いなし!
事前に対策を取って、安全安心なシッティングを行いましょう!

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