科学的に解明!赤ちゃんがリズムにのる理由

おすすめの育児のコツ
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まだ生後間もないのに、特定の音楽を聴くと自然と体を動かす赤ちゃん、可愛いですよね。

ノリノリなのか?♡
この曲好きなんか?♡

お座りができ始めた頃からノリノリの姿はよく確認されます。

しかし、なぜこんな早い段階で音楽を聞くとリズムに合わせて体を動かすことを知っているのでしょうか。

親がよく踊るとか?
生物としての本能的ななにか?

様々な研究内容をもとに、その理由を調べてみました!

なぜ赤ちゃんはリズムに合わせて体を動かすのか

胎児期からリズム感を備えていた!

まず初めに、赤ちゃんは生まれつきリズム感を持っていると言われています。(ビックリ)
赤ちゃんの聴覚は妊娠20週には音を感知することができるので、その当時から赤ちゃんは母親の子宮内で、母親の心拍音や歩行リズムを聞きながら成長していきます。

生まれる直前までこのリズムを聞いてるわけですから、当然生まれて間もない赤ちゃんもこのリズムを記憶しています。

例えば赤ちゃんが激しく泣いている時、録音したお母さんの心音や子宮を流れる血液の音を聞かせると、脈拍や血圧が落ち着きます。気分が悪かったり、不安を感じてる赤ちゃんにも効果はあり、たちまち泣きやみ、スッ…と眠りにつくことも。

和歌山県立医科大学の研究チームによると、特に「子宮の音を聞かせてすぐに落ち着かせる効果が大きい」のは、生後一ヶ月月頃まで、とのこと。

2ヶ月頃の赤ちゃんにも効果は見られる子もいますが、この時期には運動機能が発達してきて、その音源方向を探索しようとする行為が見られて、胎内音を聞いたとて、すぐに落ち着く子は減り、泣きやまない子も増加していくそうです。

確かに、普段働いてる病棟(小児科の入院棟)でも、子宮の音を聞かせた時、新生児は秒で落ち着きます。納得。

臨床心理士の立本さんによれば、3歳~5歳の幼児も心音を聞かせると落ち着く効果が見られるだとか。彼女の研究で幼児に無音・オルゴール・心音の3つを聞かせたところ、一番心音の時が心拍数が減少しやすかったとのことです。

生まれてから6年も、好きなリズムが心音なんて、まだまだ赤ちゃんの面影が残ってて、キュン。

体を動かすのは、聴覚と運動が結びついてるから

赤ちゃんがリズムに反応して体を動かす背景には、聴覚と運動機能の結びつきがあります。
音楽を聴くと、脳内で音を処理する部分と運動を司る部分が同時に活性化されることが分かっています。これにより、リズムに合わせて自然と体が動くのです。

特にお気に入りの曲を聞くと、意識が向いて、より体が反応しやすくなるのかもしれませんね!

ミラーニューロンの役割

また、ミラーニューロンという神経細胞の働きも重要です。ミラーニューロンは、他人の動きを見たり、音楽を聴いたりすることで、自分自身がその動きをしているかのように反応する細胞です。

例えばEテレの乳幼児番組だとか、保育士さんの手遊びや踊りなどもミラーニューロンに良い刺激を与えています。またママやパパがリズムに乗ってる動きを見て学んでるのかも?

赤ちゃんは自分で好きな曲を選ぶ?

しかし赤ちゃんはどんな曲にでもノリノリになるわけではありません。「なぜか、この曲だけ!」という時もありますよね。

これについては特にエビデンスはなく、いま現在では「完全なる個性」と言えそうです。

ただし、オレゴン大学の研究グループは、乳児に声楽、器楽、生演奏、録音された音楽を聞かせた研究をしたところ、以下のことがわかっているようです。

・声楽のテンポと音程の高さを把握する (Conrad et al., 2011 ; Volkova et al., 2006 )
・器楽の新しいメロディーと馴染みのあるメロディーを区別する(Trainor et al., 2004 )
・乳児は、声楽と器楽の両方の音楽よりも声だけの音楽を好む (Ilari & Sundara, 2009 )

上記の研究結果から、もしかすると赤ちゃんは、保護者がよく歌う曲のリズムや音階を記憶し、それに近い音楽を好むのかもしれませんね。

リズムに合わせて体を動かすと、どんなメリットがあるの?

親子の愛情度UP!社会的な絆の形成

音楽やリズムに合わせて体を動かすことは、社会的な絆を形成する上でも重要です。

赤ちゃんがリズムに反応することで、親もその反応を喜び、一緒に音楽を楽しむ時間が増えます。この共同の体験が、親子の絆を深めるのに役立ちます。例えば、歌を歌ったり、音楽に合わせてダンスをすることで、親子のコミュニケーションが活発になります。

だって可愛いもん!!
ムニムニの小さくて丸い可愛い生き物が踊ってるんだよ?この世に生まれて間もないのに!

親子で音楽を楽しむことで、感情的なつながりが強まりますね。

脳にあるシナプスも発達して、頭もよくなる!

音楽に合わせて体を動かすことは、赤ちゃんの脳の発達にも良い影響を与えます。
音楽は感覚刺激として非常に豊かであり、聴覚だけでなく視覚や触覚、運動感覚も刺激します。

音楽やリズムに反応することで、脳内の神経回路が活性化され、シナプスの形成が進みます。
シナプスは神経細胞同士の情報伝達を担う構造で、これが豊富になることで、学習能力や記憶力が向上します赤ちゃんが音楽を聴いて体を動かすことは、脳の健康な発達にとって非常に重要なのです。

親のストレス発散には、ダンスがおすすめ!

まず前提として、本稿で伝えている「リズムに合わせた動き」と「ダンス」は異なります。
リズムは手を叩いたり、体を揺らしたりすることで、ダンスは全身を使って踊ることです。

では早速、なぜダンスはストレス発散によいのか見ていきましょう。

ダンスをするとドーパミン(集中力アップ)やセロトニン(幸せホルモン)の分泌を促し、さらにエンドルフィンが分泌されることが多くの研究で明らかになっています。

エンドルフィンとは、いわゆる「ハイ」になれるとされる脳内ホルモンです。例えば心肺機能を高める運動をすると、脳内にエンドルフィンが放出されます。これは痛みなどのストレスを和らげ、高揚感や幸福感が得られるといわれています。

まだ、ダンスを踊ることで自尊感情も高まります。
自尊感情が高い人は、自分の欠点を認めつつも自分を受け入れ、人に対しても優しく、そして前向きに生きている人。自尊感情が高くなれば生きやすそうだな、なんて思いません?

ストレス発散しつつ高揚感を得たい場合はダンス!踊りましょう!!

育児のストレスも吹き飛びます。

ダンスが超のつく程苦手な私も育児になりつつあった専業主婦期間中、洋画さながら踊るようにしたら解放感が生まれて、小さい世界でウジウジしてるのがバカバカしくなり、世界が広がった気がしました。実際なにも変わってないけど、確実に視野は広がりました。オススメです。

まとめ

赤ちゃんは生まれ持ったリズム感があり、音楽に合わせて体を動かすのは、聴覚と運動の結びつきがあるから、ということがわかりました。

どんな曲を好きになるかなどの特徴はまだ明確ではありませんが、心音のようなリズムであったり、母親の声の音程に近い曲だった場合、胎内記憶が残ってる気がして、なんだか神秘的ですよね。

調べて行く中で想像以上に赤ちゃんは音楽を通して色々学んでいることがわかり、面白かったです。

上記では取り上げませんでしたが、米国ブリガムヤング大学で行われた研究によれば、生後9か月の乳児は、楽しげな曲と悲しげな曲を聞き分けていることができるそうですよ。表情から読み取れるようですので、是非体験してみてください。

音楽に合わせて体を動かすことは社会的な絆の形成、そして脳の発達に対する良い影響などが科学的に証明されています。

音楽を通じて赤ちゃんと一緒に楽しむ時間を増やして赤ちゃんの成長を支え、親子の絆を深めてみてください。

ダンスでストレス発散も忘れずに!


参考文献
・佐々木玲子 慶應義塾大学 https://www.jstage.jst.go.jp/article/sobim/36/2/36_73/_pdf

・立本 千寿子 https://www.jstage.jst.go.jp/article/reccej/56/3/56_115/_pdf/-char/ja
・和歌山県立医科大学研究チームhttps://www.jstage.jst.go.jp/article/audiology1968/28/5/28_5_744/_pdf
・金  愛慶(名古屋学院大学スポーツ健康学部),眞﨑 雅子(名古屋女子大学文学部)https://tspe.sakura.ne.jp/publish/doc/37_03_kim.pdf

・Ilari, B. & Sundara, M. (2009). Music Listening Preferences in Early Life Infants’ Responses to Accompanied Versus Unaccompanied Singing. Journal of Research in Music Education, 56, 357-369.

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