こども家庭庁は令和6年度のベビーシッター割引券の発行枚数を70万枚にすることがわかった。前年度は39万枚となっており、おおよそ1.8倍に増やした形だ。
ベビーシッター割引券は、東京都が約56%を占めるなど首都圏を中心に利用されており、月平均利用者数は3400人となっている。この度の発行枚数の増加では月平均6000人程と見込まれおり、保護者のさらなる育児の負担軽減に繋がることが予想される。
ベビーシッター割引券は、企業や団体から徴収した拠出金が原資となっており、発行は同庁の補助事業として、公益社団法人「全国保育サービス協会(http://www.acsa.jp/)」が担っている。
割引券発行までの仕組み
企業側が協会に申請し、受け取った割引券を必要な従業員に支給する。従業員がベビーシッターを利用した場合、子ども1人につき1日2枚まで使用可能で、最大4400円が補助されて、1世帯あたり年間280枚まで使える。
企業が一度で申請できるベビーシッター割引券の申請は半減する方向へ
こども家庭庁は前年度、発行上限を39万枚に設定したが、企業側が割引券を確保しようと大量に申請したことが要因で、昨年10月に上限に達したため発行を停止した。利用者から「仕事との両立が難しくなる」といった声が相次ぎ、約2週間後に再開する事態となったが、当時約19万枚は未利用だったとのこと。同様の事態を防ぐため、今年度は一度に申請できる枚数を半減させる方向で調整を進めている。
所感
ベビーシッターの需要は年々高まっており、夫婦共働きの家庭にとっては追加支援になる。ただ普及率からして大都会中心となっているので、全国区でみれば直接的な育児支援とは言い難い。
今後ベビーシッター業界は都市圏以外でも活動を活性化して認知度を上げ、保護者にとってベビーシッターをより身近なものに感じてもらえるよう働きかけること、こども家庭庁はベビーシッターの取り組みは継続しつつ、少子化対策においても給与を増やしたり働き方改革を進めることが必要となるのではないだろうか。