例えば、深夜寝ている時に「ねぇねぇ」と話しかけられたり、夜泣きや子どもの咳で起きてしまった時。
心のどこかで「イラッ」「モヤッ」としてしまうこと、ありませんか?
それが一度ならともかく、二回三回と続けば「勘弁してくれ…」と思うし、
そもそも不眠体質なのに、やっと眠れた状態で起こされるとイラッとしちゃいますよね。
でも、それはあなたが悪いわけではありません。
実は、夜中に起こされてイライラするのは脳の自然な反応なんです。
「子どもの咳で起こされてイラつくなんて、親として最低だ…」
「不眠症なのは私の問題で、家族に関係ないのに…」
そんなふうに自分を責める必要はありません。
イラッとするように、脳ができているんです。
今日は、「夜中に起こされるとイライラしてしまう理由」を、脳科学と生理学の観点から解説していきます。
💬この記事を読んでほしい人
- 夜中に起こされるとイライラしてしまい、自分を責めてしまう人
- 赤ちゃんの夜泣きや子どもの咳で眠れない日が続いている人
- 睡眠不足でも、少しでも穏やかに過ごしたい人
それでは読んでいきましょう、ひぃあ うぃーごー!
なぜ夜中に起こされるとイライラするのか
答えはシンプルで、
脳が【休止モード】から【活動モード】へスムーズに切り替えられず、混乱してしまうから。
この状態を「睡眠惰性(スリープ・イナーシャ)」と呼びます。
睡眠中、特にノンレム睡眠の最中は脳が深く休んでいるため、突然起こされると脳はまだ“覚醒の準備”ができていません。
すると、次のような不完全な覚醒状態になります。
- 反応が鈍い
- 思考がまとまらない
- 感情コントロールが効かない
結果として、不快感やイライラを強く感じてしまうのです。
自律神経が「緊急事態!!」とアラート鳴らすから
睡眠中は「リラックスモード」である副交感神経が優位。
ところが、夜泣きや物音などの刺激で突然起こされると、脳は一瞬で「緊急事態!」と判断します。
交感神経が急激に働き、
心拍数・血圧・呼吸数が上昇し、体は [戦う・逃げるモード] に。
つまり、身体が「敵襲に備える」反応を起こすのです。
敵襲ー!敵襲ーー!!!ちがうよ、我が子の夜泣きだよ。
この仕組みは、進化の過程で生き残るために備わったもの。
かつて寝込みを襲われる危険があった哺乳類の名残とも言われています。
なので、夜中に起こされた瞬間に「なに!?敵襲!??」と身構えるように体が反応し、
ストレスホルモン(アドレナリンなど)が一気に分泌され、結果としてイラッと感じるのです。
睡眠不足になると感情のコントロールがうまくできないから
さらに、睡眠不足が続くと、感情をコントロールする前頭葉の働きが低下します。
夜中に繰り返し起こされることで、脳は常に睡眠不足状態。
すると、普段なら冷静に対応できる場面でも、
ついカッとなったり、涙が出たりといった情緒の不安定さが出やすくなります。
つまり、「夜中に起こされてイライラする」のは、脳の機能的な仕組みの結果なのです。
まとめ:イライラしても、あなたはダメな親じゃない
夜中に起こされてイライラするのは、誰にでも起こる自然な反応です。
無理に否定したり、我慢しようとすると、かえって自己否定やストレスが強まります。
イライラしてもいい。
大切なのは、その感情を認めたうえで、どう行動するかです。
- 一呼吸おく
- パートナーと分担する
- 起こされた後はすぐ寝直せるルーティンを作る
そうした小さな工夫が、心の負担を軽くしてくれます。
夜中に起こされてイラッとするのは「脳の仕組み」。
あなたの優しさが足りないわけではありません。
安心して、今日も少しだけ深呼吸してみてくださいね。


コメント